かぼちゃの追熟方法。 何度以上なら常温から冷蔵庫の野菜室に移したほうが良い?

かぼちゃは収穫後も追熟させることができます。温度と湿度を適切に管理することで、追熟が進み、甘みや風味が増します。

追熟ってなに?かぼちゃが美味しくなる酵素活性のメカニズム

「追熟」とは、収穫した後にさらに熟させることです。収穫後もかぼちゃの内部ではさまざまな生化学的プロセスが進行し、これにより食味が向上します。追熟によって、かぼちゃのデンプンが糖に変わり、甘みが増し、風味が豊かになります。また、果肉が柔らかくなり、調理がしやすくなることもあります。

追熟が進むとき、かぼちゃの中では以下のような酵素が活性化します。

アミラーゼ酵素

アミラーゼはデンプンを分解し、糖に変える酵素です。この酵素の働きにより、かぼちゃの甘みが増します。追熟期間中にアミラーゼの活性が高まり、デンプンがマルトースやグルコースといった糖に変わることで、かぼちゃが甘くなるのです。

ペクチナーゼ酵素

ペクチナーゼは、果肉のペクチンを分解する酵素です。ペクチンが分解されることで、かぼちゃの果肉が柔らかくなり、調理がしやすくなります。これにより、スープや煮物などの料理で滑らかな食感が楽しめます。

つまり、熟したかぼちゃは、甘く風味が良い上に、食感がなめらかで美味しい。どうせなら、適切なタイミングで食べたいですね!

かぼちゃの追熟方法

適切な温度と湿度

理想的な温度は15~20℃。湿度が高すぎない場所で保存するのが理想です。湿度が高いと、最悪カビ生える
直射日光を避け、風通しの良い場所が適しています。

保存期間

かぼちゃの種類や大きさによりますが、だいたい1~2週間くらいで美味しくなります。保存環境によっては数ヶ月持つこともあるので、その間にじっくりと熟していきます。
期間中にかぼちゃの表面が硬くなり、甘みが増すのを感じることができます。

チェックと回転

保存中に定期的にかぼちゃをチェックし、傷や腐敗がないか確認します。かぼちゃを時々回転させることで、均一に追熟させることができます。

追熟が必要なかぼちゃの見極め方!こんなかぼちゃは追熟すべき

色が薄い緑や黄緑っぽい

食べごろのかぼちゃは濃い緑色です。かぼちゃの種類によって色は違いますが、表面が薄い緑や黄緑っぽい場合は、まだ追熟が必要の可能性があります。色がしっかりと濃くなっているかどうかが一つの目安です。

皮は少し柔らかい

熟したかぼちゃの皮は硬く、ツルツルしています。逆に、まだ追熟が必要なかぼちゃの皮は少し柔らかく、押すと少しだけ凹むことがあります。爪で軽く押してみて、簡単にへこんでしまう場合は、まだ追熟が必要です。

ヘタが青々としている

ヘタがしっかりと乾燥して、茶色くなっているかぼちゃは、もう十分に熟しています。まだ青々としていたり、湿っている感じがある場合は、もう少し追熟させる必要があります。

叩いたときの音が高くて軽い

かぼちゃを軽く叩いてみると、熟しているかぼちゃは、低くて重い音がします。逆に、追熟が必要なかぼちゃは、軽くて高い音がします。

軽い

同じ大きさのかぼちゃでも、熟しているものはずっしりと重く感じます。これは、水分と栄養がしっかりと詰まっている証拠です。軽いかぼちゃはまだ追熟が必要かもしれません。

かぼちゃは何度から腐り始める?冷蔵庫の野菜室に移すべき温度

かぼちゃは温度が高すぎると腐りやすくなります。具体的には、25℃以上の環境では腐敗のリスクが高まります。28℃でも短期間なら追熟可能ですが、長期間その温度で保存すると腐敗する可能性があります。高温になると、細菌やカビが繁殖しやすくなるため、腐敗が早まります。

夏場や室内温度が高い場合には、冷蔵庫に入れた方が安全です。

冷蔵庫の野菜室でかぼちゃの追熟が可能かどうか

冷蔵庫の野菜室は一般的に5~10℃に設定されています。この温度帯はかぼちゃの追熟には低すぎます。冷蔵庫内ではかぼちゃの熟成プロセスが遅くなり、追熟がほとんど進まない可能性があります。

追熟は期待できないかもしれませんが、腐るよりはマシと割り切って、暑い夏なんかは冷蔵庫の野菜室に移したほうが無難でしょう。

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