温泉卵がゆで卵より日持ちする理由

温泉卵がなぜゆで卵よりも日持ちするのか、その理由についてまとめてみました。

そもそもゆで卵が腐りやすい理由

卵の持つ抗菌酵素が熱湯で壊れるから

ゆで卵が生卵よりも腐りやすいのは常識だと思いますが、その理由は調理の過程で卵に含まれるリゾチームという抗菌酵素が壊れてしまうからです。

リゾチームが壊れる条件は70℃以上の高温。100℃近い沸騰したお湯で調理されるゆで卵の場合、リゾチームが壊れて抗菌作用が失われます。その結果、細菌が繁殖しやすくなり、ゆで卵は腐りやすくなるのです。

温泉卵が日持ちする理由

ゆで卵よりも温泉卵が日持ちする理由

ゆで卵と違い抗菌酵素が残っている

温泉卵は60~70℃の温度帯でじっくりと調理されるため、抗菌酵素であるリゾチームが失活せずに残ります。これにより、卵の抗菌作用が維持され、細菌の繁殖が抑えられます。

低温調理で半熟と殺菌を両立

温泉卵の場合、低温調理法により半熟を維持しつつ殺菌ができています。この温度帯で調理することで、細菌を効果的に殺菌しながらも、生卵っぽいとろりとした食感や風味を損なわずに安全に仕上げることができます。

自家製の温泉卵は早く食べたほうがいい理由

ネットで見つける「自家製温泉卵のレシピ」の多くは、いわば「なんちゃって温泉卵」です。これらのレシピでは、抗菌酵素が残っているか、中心部まできちんと殺菌できているかという保証がありません。

例えば、「鍋にお湯を沸かし~」や「沸騰させたお湯に~」といった方法では、しょっぱなから卵が100℃以上の高温にさらされるため、抗菌酵素リゾチームが壊れてしまいます。
温泉卵が日持ちする理由は「70℃以下をキープするから」であり、抗菌酵素が保持されて細菌の繁殖を防いでいます。したがって、安全性を確保するためには、自家製温泉卵はできるだけ早く食べたほうが良いでしょう。

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