【失敗】クビンスの「ヨーグルト&チーズメーカー」を買って後悔した話

ヨーグルティアにしておけば良かった…。

ヨーグルトメーカーを買った動機

ヨーグルトを日常的にたっぷり食べたい!
じゃあヨーグルトメーカーを買ってヨーグルトを大量生産しよう!
せっかくなら高スペックの機種を買おう!!

ってな流れで、沢山あるヨーグルトメーカーの中から、下記の2点が最終選考に残りました。

  • タニカの「ヨーグルティアS」
  • クビンスの「ヨーグルト&チーズメーカー」

購入者(口コミ数)が多いのは圧倒的にタニカ「ヨーグルティアS」ですが、価格とカタログスペックは 両者それほど差は無い様子。

迷った末、少数派のクビンス「ヨーグルト&チーズメーカー」を購入しました。

口コミは少ないけれど、見た目がオシャレだし、最新機種が今年発売したばかりという点に惹かれたからです。

あー、失敗したー…。

私と同じく、タニカ「ヨーグルティアS」クビンス「ヨーグルト&チーズメーカー」のどっちを買うかで迷っている方は、ぜひ読み進めてみてください。

「ヨーグルティアS」と「ヨーグルト&チーズメーカー」スペック比較

タニカ「ヨーグルティアS」 クビンス「ヨーグルト&チーズメーカー」
型番 YS-01 KGY-81ASM
発売日 2016年7月 2020年2月
税込価格 本体+最低限の付属品:11,000円
付属品フルセット:13,750円
付属品フルセットのみ:14,960円
調理時間 プレーンヨーグルト7時間 プレーンヨーグルト通常8時間/
時短モード4時間*選択可
容器容量 1200ml 2000ml(適正容量 1400ml)
容器消毒 電子レンジで消毒可能 電子レンジで消毒可能
設定温度 25℃~70℃ (1℃刻み) 20℃~65℃ (1℃刻み)
タイマー設定 30分または1~48時間(1時間刻み) 1~99時間(1時間刻み)
重量 760g 1.0kg
消費電力 40W 44W
製造国 日本国内 韓国

前記の通り、カタログスペック的には あまり差が無い。
クビンスの方が後発なだけあって、ちょっと優位かな?とさえ思えます。
ヨーグルトが時短モード4時間で作れる機能はクビンスにしかなく、おっ!ハイテクだな!と感じます。

しかし、カタログスペックからは読み取れなかった残念な点と、誇大広告なのでは?と思える点があり、「ヨーグルティアSにしときゃ良かった~!!」と後悔しているわけです。

ヨーグルト&チーズメーカーの外観と付属品

うん、オシャレ!!
数あるヨーグルトメーカーの中でも、見た目だけなら惹かれるものがある!

本体

付属品

セットの内容は、本体、本体蓋、容器2個、容器ハンドル2個、容器蓋2個、チーズフィルター1個。
そして、レシピブックと取扱説明書が付いています。

旧型モデル(KGY-713SM)とは付属品が異なるようです。

チーズフィルターは、水切りヨーグルト(ギリシャヨーグルト)のフィルターとして使えます。
「ヨーグルティアS」の水切り容器には紙フィルターが必要だそうですが、こちらは紙フィルター無しでOK。この点はクビンスに軍配でしょう。(まだ一度も使ってないけれど!)

↑3合炊きの炊飯器と並べるとこんな感じ。

4つの購入注意点

1容器蓋やハンドルは電子レンジ消毒不可 電子レンジ消毒が可能なのは容器の部分だけです。 蓋は湯通しして消毒する必要があり、結局お湯を沸かさなきゃなりません。
一方、タニカ「ヨーグルティアS」は 容器・蓋・スプーンまでまとめて電子レンジ消毒が可能です。(こちらにはスプーンはそもそも付いていない)
2付属品はカスタマーセンター経由で買うしかない 調理に使う容器は、消耗品にも関わらず、今の所ネットショップでは取り扱っていません。追加購入するにはカスタマーセンターを経由する必要があります。
とはいえ、最初から容器と蓋が2個ずつ付いているので、購入後しばらくは気にしなくても良さそう。
3チーズ作りに特化しているわけではない ヨーグルト&チーズメーカー」という商品名から勘違いしてしまいそうですが、他のヨーグルトメーカーに比べて「チーズが作りやすい構造」になっているわけではなく、保温機能でチーズ作りができるよ!というだけです。このメーカーでできるチーズならば、「ヨーグルティアS」に限らず他のヨーグルトメーカーでもできるはずです。
メニューボタンに「甘酒/チーズ」というモードがありますが、6時間・60℃という設定がプリセットされた ただのショートカットボタンのようなものです。
また、レシピブックに載っているチーズは、乳と酸 (酢やレモン汁)のみを使う簡易的なもので、酵素を用いた本格的なチーズの紹介はありません。
4設定温度に到達しない仕様 最高設定温度の65℃は 本体(内釜)の最高温度であり、間接的に温められる容器内の水温が65℃に達することはありません。これはカスタマーセンターに問い合わせて聞きました。(他にも聞きたいことがあり、ついでに。)

つまり、中身の温度は 設定した温度よりも常に低くなる仕様です。
実際、65℃に設定し12時間ほど温め続けましたが、容器内の水温は61.9℃にしかなりませんでした。
そしてどうやら「ヨーグルティアS」は設定温度にきちんと到達するらしい。

ヨーグルティアSと比較

実は、ヨーグルトを作る前に「お湯を作る実験」を行いました。

タニカの公式ホームページ各ヨーグルトメーカーの温度変化比較グラフ(5℃から60℃に上がるまでの推移)が載っており、私の買った「ヨーグルト&チーズメーカー」はどうだろう?と興味があったので。


(タニカ公式HPより引用)

結果は、このグラフで言う「他社製品」に近い推移でした。

とあるヨーグルティア購入者さんが 同じように温度検証を行い、3時間で設定温度に到達という結果を出しているので、このグラフは信用できるものと思います。

水温上昇の推移をチェックしてみた

私が行った実験は下記の通りです。

  • 容器内に5℃の水を1L用意

  • 目標温度を上限の65℃に設定

  • 12時間ほど温め、何時間かおきに温度をチェック

水温上昇実験スタート!

開始0分:水温5.0℃
室温は20℃くらい。

3時間後

開始から3時間:水温50.1℃
この時点で「ヨーグルティアS」に負けていますが、「旧型ヨーグルティア」や「他社製品」よりは少しだけ加熱速度が速いかな?といった具合。

さらに2時間後

開始から5時間:水温58.5℃
ここで「旧型ヨーグルティア」に逆転されます。
目標温度は65℃に設定しているんだから、もっと頑張って~!

さらに3時間後

開始から8時間:水温60.6℃
う~ん、3時間前からあまり変わってない…。

さらに4時間後

開始から12時間:水温61.9℃
65℃設定で12時間温め続けて、まだ3℃足りない…。

いや、待てよ…

こいつか?

こいつがおかしいのか!??

温度計を疑い出す

ThermoPro料理温度計デジタル防水TP-19
温度範囲:-50℃から300℃
温度精度:±0.5℃

氷水に突っ込む

水温:0.0℃

沸騰したやかんに突っ込む

水温:100.1℃

ごめん、疑ってごめん!!!

温度計は悪くないよ!
むしろカタログスペックの「温度精度±0.5℃」は謙遜じゃん!
めっちゃ正確だよ………!

加熱性能はヨーグルティア以下で確定

実験の結果、加熱性能に関しては タニカの言う「他社製品」と同等であり、「ヨーグルティアS」には及ばないということがわかりました。

容器内の温度が設定温度に到達しないのは機械の仕様だと割り切ったとしても、温まるまでの時間もビミョ~に長い…。
チーズや甘酒や塩麹作りには60℃が必要なわけですが、これじゃあ60℃に到達する前に調理時間終了になってしまいます。
”ちょっと温度が足りない”程度の誤差であれば、一応それらしいモノはできるのかもしれないけれど、きちんと温度を守って調理したものとは味や栄養価が違ってくるのでは…?

そもそもヨーグルトメーカーというのは「加熱器」ではなく「保温器」だということは、わかっているんです。
しかし、ヨーグルティアSとほぼ同価格にも関わらず、こんなもんか~…とがっかりでした。

こちらは「最短4時間でプレーンヨーグルトができる」ということで、熱伝導率や加熱効果には期待していたのですが…。

通常モードでのヨーグルト作りは問題なくできる

42℃・8時間の設定の「通常モード」でのヨーグルト作り成功しました。

材料はパルテノと東京牛乳

初自家製ヨーグルトの材料には、市販ヨーグルトの中でも特に濃厚で美味しいと思うパルテノと、ちょっと良い値段のする東京牛乳を選びました。
これを熱湯殺菌済みの容器内で混ぜて、スイッチオン!

待つこと8時間

うん、固まっている!
しばらく冷蔵庫で冷やして、蓋を開けてみます。

おおっ

おおおっ

おおおおおお~~っ!!!

……今までの愚痴はいったん忘れてほしい。
このヨーグルト、激ウマですわ!!

程よい粘りとコシがあり、ちょっとユルめのクリームチーズのようなミルク濃縮感。
元のパルテノほどの固さは無いものの、酸味が穏やかに・甘みは増したような印象です。

東京牛乳との相性が良かったのか、元のパルテノ以上に美味しくなったのは予想外でした。

誇大広告?時短モードでヨーグルトができない

え!?
さすがにおかしくないですか?

調理に通常7~8時間かかるヨーグルトが最短4時間でできる」という点は、このヨーグルトメーカーのアイデンティティのはずです。
しかし実際はできない

時短ヨーグルトを試す

使った材料は、通常モードで成功済みであるパルテノ100g×東京牛乳1000ml
説明書にある通り、加糖ではないプレーンヨーグルトと、成分無調整の高温殺菌牛乳です。
また、ヨーグルトは乳脂肪分が高いほど成功しやすいとのことで、どちらも高乳脂肪のものを選んでいます。

…にも関わらず………。

時短モードにセットして4時間後

できたのヨーグルトじゃなくてジョアだよ!

さすがに初期不良を疑い、カスタマーセンターに問い合わせました。
返答は「時短モードで成功するヨーグルトは種類が限られる」とのこと。
要は「パルテノがダメだ」と。

今度は王道のブルガリアヨーグルトで

続いて試したのが、ブルガリアヨーグルト100g×酪農牛乳1000ml

個人的にブルガリアヨーグルトは味がさほど好みではないのだけど、ヨーグルトの代名詞的な存在であるブルガリアヨーグルトで失敗したら、もうできないものだと諦めようと思って。

時短モードにセットして4時間後

牛乳のまま、さらっさらだよ!
パルテノ×東京牛乳のほうがまだ惜しい感じだったよ!!

ちなみに、このさらっさらの出来損ないヨーグルト、42℃で4時間追加調理したら 問題なくヨーグルトが完成しました
ただの発酵不足じゃん!

時短モードとは、
通常8時間かかるヨーグルトを 4時間の時点でピーピー・できたよ~って言うモード、ということ…?
失敗したんじゃなくて、フライングで開けちゃった的な。

ひょっとしたら材料を予め温めておく必要があるのでは…と思い、そのことも尋ねました。
しかし、「材料は予め目標温度に温めておく必要はなく、冷蔵庫から出した状態の温度を想定している」との回答。
うっそぉ~~!!?

「できない」と言ったら、「種菌にしているヨーグルトが悪い」と言われるのに、「どのヨーグルトなら良いのか」を具体的に教えてくれない。
でも「決して機械の故障ではない」んだそう。

本当に4時間で成功するヨーグルト&牛乳の組み合わせがあるならば、せめて説明書なりホームページなりに書いてほしい。
そもそも、成功・失敗が種菌依存なのがおかしい。

個人的には、たとえ4時間でできる優秀な種菌ヨーグルトがあったとしても、ヨーグルト界一メジャーであるブルガリアヨーグルトで成功しない以上、「ヨーグルトが時短モード4時間で作れるようになりました」という宣伝文句は誇大広告に思えます。

容器の大きさも足を引っ張っている?

購入の決め手ともなった「2000ml入る大きな容器」ですが、これも熱伝導率を下げる要因となっているのでは…。
通常モード(8時間)で作ったヨーグルトでさえ、真ん中の部分が若干ユルいと感じました。

まとめ

最高設定温度の65℃は本体(内釜)の最高温度であり、間接的に温められる容器内の水温は65℃に達することは無い。実際、65℃に設定し12時間ほど温め続けたが、容器内の水温は61.9℃にしかならなかった。 設定温度65℃で、5℃から開始し3時間後に50℃に達するが、そこからの温度上昇はとても遅い。 ヨーグルト通常モード(8時間)は問題なく成功。 ヨーグルト時短モード(4時間)は2回中2回失敗。カスタマーセンター曰く「成功するヨーグルトは種類が限られる」とのこと。説明書には「プレーンヨーグルト無加糖」としか書かれておらず、どのヨーグルトなら上手くいくのか不明確である。 説明書やホームページには記載がなく 使ってみなければわからない仕様があるにも関わらず、1回でも使えば返品不可。

パルテノ×東京牛乳で美味しいヨーグルトができた、という事実は間違いありません。
8時間で普通にヨーグルトを作る分には、オシャレなこちらの機種を選ぶのも有りっちゃ有りなのかもしれません。

けれども、もしも購入前に戻れるならば、私は 間違いなくタニカの「ヨーグルティアS」を選ぶでしょう

鶏ハムとかローストビーフとか作ってみたかったんだけど、生肉はとてもこの機械に任せられない…。
電気代がほぼかからないようなわずかな電力でヨーグルトを量産できる「ヨーグルトメーカーという機械そのもの」には魅力を感じます。

追記

塩麹は材料を予め60℃に温め、設定を62℃・6時間にすることで成功(付属のレシピブック通りに「甘酒/チーズボタン」で作ると絶対に温度が足りないから無視)
温泉卵は容器内温度65℃からスタートし、設定65℃・2時間で失敗。いつのまにか容器内の温度が下がりうすら白っぽい生卵ができた。目玉焼きにして食べた。
プレーンヨーグルトは何度も作っているが、通常モード・8時間設定で 今のところ失敗したことはない。時短モードはあれっきり試していない。

ヨーグルトメーカーの調理範囲が思ったよりも狭かったので、低温調理器を買いました↓

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